発達障害、無理して学校に行くべき?学校嫌いな子どもたち
発達障害がある子は、そもそも集団活動が苦手です。また、うまくできないことや、失敗してしまうことも多く、学校生活は楽しいだけのものではないでしょう。
「発達障害」「学校」で検索をかけると、「子どもを学校に行かせるのが苦痛」「子どもが泣きわめきながら学校を嫌がる」などといった悩みがたくさん出てきます。子どもが泣きわめいているのに、親が苦痛になりながらも学校は必ず行かせなければならない場所なのでしょうか?
特に学校の長期休みが終わった9月は、思い詰める子どもが多い時期だとも言われます。今回は、発達障害と学校について私なりの思いをまとめます。
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学校は無理に行かせる場所ではない?
「学校は必ず行かなくてはならないところ」
そう自分が教育されてきたら、それを同じように子どもに求めることは当然なのかもしれません。
確かに「学校には行かなくていい!」と声を大にして言うことはできません。学校に行くことで、集団行動や社会性、また、様々な教科の勉強をすることができます。様々な行事もあり、その度子どもたちはいろいろなことを吸収し、成長していきます。子どもたちの成長にとって必要な、たくさんの栄養分が学校には用意されているということは言えます。
しかし、本当に行きたくないのに、無理にでも学校には行かなければならない。という意見には、元小学校教諭でありながら反対です。
発達障害を持っていると、学習面や生活面においてつまづきが多く、その分ストレスも抱えやすい状態にあります。その状態で無理矢理学校に連れて行こうとするのは、拷問にも近い行為なのではないでしょうか。その状態で学校に行ってもデメリットの方が多いと思うのです。
実はその「いろんな子」を排除するきっかけを作っているのは学校であり教師でもある。
— はぴ子 (@ka7aa1988) 2017年7月18日
「多様な個性を認める」って口では言いながらも、授業中歩き回ったり邪魔になるような子は排除する。 https://t.co/F28MaOSPHJ
学校って1つの選択肢。
— はぴ子 (@ka7aa1988) 2017年7月18日
学校に「行かなきゃいけない」じゃなくて、「行ってもいい」、「行きたくなかったら別の選択肢もあるよ」くらいがベストな気がする。
1つの世界だけだと、そこが合わない子供たちは行き場がなくて、本当に辛い思いをする。
学校に行きたくない原因を探る
「学校行きたくない・・・」
「何言ってるの!はやく行きなさい!行かなきゃダメよ!」
このような流れだと、子どもがせっかく出しているサインを無視していることになります。学校に行きたくない原因をしっかり探りましょう。ただの怠け心かもしれません。しかし、もしかしたら重大な問題があるかもしれません。無理に登校させるのではなく、子どもの心に寄り添いながら解決していくことが一番の近道でしょう。
子どもが居心地よく学習できる環境を整える
学校に行きたくない原因が分かれば、解決の糸口が見えてきます。友人関係で悩んでいる場合もあれば、勉強のことで悩んでいる場合もあります。その悩んでいる状況を少しでも改善させる方法はないか考えます。気がかりだった問題が解消されていると知れば、安心して登校できる場合もあります。
また、教室登校に抵抗があるのであれば、保健室登校や、支援教室登校など、できるだけ柔軟に対応することが大切です。その中で、友だちとの楽しい関わりや面白い活動に参加することで「学校に来てよかった」と思わせることができて初めて、子どもは自分から「学校へ行きたい」という気持ちが芽生えてきます。無理に学校に行かせても、いつか必ず爆発します。そうならないために、サインが出たときに丁寧に対応していくことが重要です。
短時間なら学校に行ける、好きな科目の授業なら受けられるというように、その子どもに合った環境を用意してあげることで、次第に学校で過ごせる時間が増えていき、いずれは登校できるようになるでしょう。
大切なのは、一人ひとり違う人間だと言うことです。学校という場所がその子どもに合わないのであれば、それに代替する場所を提供し、子どもが学習できるようにすることが必要なのではないかと思います。大人だって様々な働き方がありますよね。それと同じで、子どもにも様々な学び方があってもいいのではないかとka7a-mamaは思います。
時代も確実に変わってきていますしね(^^)↓↓
発達障害児のこんなときどうする?「学校に登校したがらない」
発達障害児の、こんなときどうする?コーナーです。
このコーナーでは、具体的なお悩みを元に、発達障害児の理解の仕方や、支援方法などをまとめていきます。
今回は、「学校に登校したがらない」「登校を嫌がる」子どもへの対応についてまとめていきます。
子どもが登校をしぶるようになったり、休みがちになったら、SOSのサインです。
原因をじっくり探り、子どもが適応できる方法を考えましょう。
一見、無理なく元気に通っているように見えても、学習面や生活面でつまづきやすい発達障害児は、ストレスを抱えていることが多く、そのはけ口が見つからず辛い想いをしているケースがあります。
頑張りすぎて「エネルギー切れ」を起こしているのだと理解し、少し休ませてあげることも大切です。
まずは受け入れる
「学校へ行きたくない」
子どもが突然こんなことを言い出したら、どう答えるか。私が息子を妊娠しているときに夫から聞かれたことです。まだ産まれてもないのにもう学校のこと!?と驚いたものです。
そのときの私は理由を聞いて、特に理由がないんだったら「とりあえず今日は行ってみたら?」と答えると言いました。「学校は行くべきところだ」という潜在意識が働いたんでしょうね。
しかし、夫はの考えは違いました。「必死に今まで我慢して頑張ってきて『もうだめだ・・・』と思って言った一言かもしれないよ?」と。
ストレスの感じ方は人それぞれです。親子でも分からないことはたくさんあります。
親子だからこそ弱音を吐けない。
こんなこと言ったら失望させてしまうかもしれない。
こんなことを親が知ったら悲しませてしまうかもしれない。
そんな気持ちから、本音を言わなくなってしまうケースもあります。
このような理由から、明らかにずる休みと分かるようなケースを除いて、まずは子どもの訴えを受け入れることが大切です。
ただし、2、3日と期限を決めて休養をとり、疲れやストレスを癒すことを第一に考えましょう。
学校に行きたがらない原因を探る
授業のないようについていけない、先生によく叱られる、友だちによくからかわれる、友だちとしょっちゅう喧嘩になる、クラスで孤立している、というように、子どもが抱えている問題は様々なことがあります。それらの何が原因で学校に行きたくないのか、話をゆっくり聞いてあげましょう。
学校での出来事なので、親が事前に気付けないことも多く、気付かぬうちに相当のストレスを抱えてしまっていることも少なくありません。傍目からは学校生活を難なくこなして、トラブルもないように見えていたとしても、本人は大変な苦労をして乗り越えようとしていることもあります。
こういった小さなストレスが積もり積もって我慢の限界を越ええうと、ある日突然「登校をしぶる」という行動になって表れることがあります。ただの怠け心や、さぼりたいという理由から「休みたい」と言っているのではなく、助けてほしいという「SOSサイン」であると受け止め、きちんと向き合うことが必要です。
子どもや学校と話し合いながら一歩一歩
学校は絶対に行くべきところだから行きなさい。授業は教室でみんなと一緒に受けるべきだ。などと凝り固まった考え方では、子どもの気持ちに寄り添えない場合があります。
学校は確かに教育の場として適した場所ではありますが、無理して神経をすり減らしてまで行くべきところでしょうか?勉強なら家でもできますし、人間関係や社会性を学ぶのも習い事や趣味のサークル、イベントなどで学ぶこともできます。「絶対に学校は行くべきだ!」そういった考えが子どもを追いつめてしまうこともあります。
学校に行けないなら家で勉強してもいい。
教室に行くのが嫌ならまずは保健室登校でもいい。
こういった柔軟な考え方で少しずつ慣れさせていくことが大切です。
無理矢理行かせたところで根本的な問題が解決できていなければ、また繰り返します。
子どもや学校と話し合いながら少しずつ進めていくことが大切です。
何よりも大切なことは、その子どもが楽しんで毎日を過ごす。ということを忘れないでほしいなあと思います。
嫌々学校に行き続けるよりも大切なことが世の中にはいろいろある。子どもだから学校には絶対に行かなきゃいけないなんてことない。
— ka7a-mama (@ka7aa1988) July 4, 2017
やめる。といった選択は何よりも大事。 https://t.co/uMWwIu2I9i
やめることで始まる何かがある。
— ka7a-mama (@ka7aa1988) July 4, 2017
発達性協調運動障害とは?不器用さに悩む子どもたち
発達障害を持っている子どもたちの中には、極端に不器用な子どもがいます。
のりを使うと、手や机までベタベタ、ノートのマス目に文字が入りきらない、折り紙をすればくちゃくちゃ・・・。
これらは発達性強調運動障害の可能性があります。
今回はこの発達性協調運動障害について詳しくまとめていきます。
発達性協調運動障害とは?
1.ただの不器用・・・ではない
学校教育ではほとんどの場面で器用さが要求されます。
文字を書いたり、定規やコンパスの使用、体育や図工などでの活動、そして休憩時間の遊びにおいてまでです。
日常生活のさまざまなことは、身体を使って行っているのです。
器用・不器用というのは昔から一つの個性、個人差の範囲として考えられてきました。
しかし、極端に不器用という言葉で表される身体活動の苦手さを、米国精神医学会では「発達性協調運動障害」とされています。
「developmental cordination disorder:DCD」とも言われ、粗大運動や微細運動を必要とする動きの習得や遂行に著しい困難を示している状態と定義されています。
発生率は、2002年の研究において、5歳から11歳の年齢の子ども6%に達するとも見積もられており、決してレアなケースではないことが分かります。
2.不器用さによる具体的なつまずき
不器用さによる具体的なつまずきとしては2パターンあります。
1つ目はキャッチボールができない、縄跳びで手と足のタイミングを合わせて飛べないなどの粗大運動の問題です。
2つ目は文字を書くと枠からはみ出してしまう、はさみを使うのが苦手、折り紙をしてもくちゃくちゃになってしまうなどの巧緻動作の問題です。
3.不器用さの原因
不器用さの原因と言っても、どこに原因があるかは人それぞれです。
身体的な要因や情報処理の要因がからみあって不器用さにつながっているケースが多いので、どこに原因があるのかを見極めることも必要です。
原因の一つとして、自分の身体の位置や動きなどのボディイメージがしにくいことが原因とされています。
通常は「つま先立ちになって、両手を上げ、指先をぴーんと伸ばしましょう」と言われると、足や指先をわざわざ見なくても力を入れてその姿勢を作ることができますよね。
ところが、発達性協調運動障害を持つ子どもの場合、一つ一つの動きを確認しながらではないと、その姿勢を作ることができないケースがあります。
これは、見なくても筋肉の動きが分かる「固有覚」の働きに問題があることが分かっています。
また、自分の身体だけではなく、キャッチボールのように周りの空間やボールなどと、自分の身体の距離感を把握する「空間の知覚・認知」が苦手なケースもあります。
このように自分の身体をこう動かしたいと思って動かしているのにも関わらず、違う筋肉を働かせてしまったり、認知の時点で間違っていたりすることで、極端な不器用さにつながるのです。
LD(学習障害)の症状・困り感とは?勉強へのやる気がないのはこれが原因?
LD(学習障害)児にとって、学校教育は勉強へのやる気を失わせる大きな原因の一つになっている可能性があると言われています。それは、従来行われているような、同じ漢字を何度も書かせて覚えさせたり、ひたすら計算問題を解かせたりする学校での勉強方法では、やってもやっても成果が出ないため、子どもはやる気を失ってしまうことがあります。このようなやる気が失われた状態を学習性無力感と言います。
学習性無力感とは、「どうせやってもできない」「自分には能力がないんだ」という考え方から、新しいことに対してうまく対処しようとしないことをいいます。学習性無力感になってしまうと、新しいことを学ぶ楽しさも感じられず、勉強自体が嫌いな子どもになってしまいます。
このような原因となってしまうLD(学習障害)とは一体何なのでしょうか?どんな症状があり、どんな困り感を感じているのでしょうか?
LD(学習障害)の症状・困り感とは?
学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態をさすものである。
このようにLD(学習障害)は、1999年に作成された文部省によって定義されていますが、実際はそれ以上に多岐にわたった症状が現れることも報告されています。
今まで「LD(学習障害)」の定義は知っているし理解もしていましたが、今回のタイプ分けやより詳しい症状や困り感を知ることで、なんとなく自分の中ですっきりした部分があるので、ここに記しておこうと思います。
LD(学習障害)のタイプ
LD(学習障害)といっても、様々なタイプがあります。これらのタイプは、実態に応じた効果的な手だてを考えるヒントになることがあります。
まずは、LD(学習障害)児にはどういったタイプがあり、どのような症状や困り感があるのかを見ていきましょう。どれか一つのタイプに当てはまるというわけではなく、いくつかのタイプの特徴が見られる子どももいます。
行動上の困難によるタイプ
- 学習の困難(主症状)・・・読み、書き、算数にみられる特異な学習能力の困難
- ことばの困難(主症状)・・・聞く、話すなどのコミュニケーション能力にみられる困難
- 社会性の困難・・・ソーシャルスキル、社会的認知能力にみられる困難
- 運動の困難・・・協応運動、運動企画能力にみられる運動面の困難
- 注意集中・多動による困難・・・注意の集中、持続力の障害や多動などの行動上の問題
知覚・認知の特徴によるタイプ
- 聴覚知覚の困難・・・がやがやした場面で話を聞いたり、たくさんの声の中から先生の話し声を聞き分ける力に弱さがみられる。短期記憶の弱さが加わることもある。
- 視知覚の困難・・・目に入る多くの情報の中から、今一番必要なものに注目する力の弱さや、空間(ものの位置関係)の認知がうまくいかない。
- 社会的知覚の困難・・・社会の中に置ける自分と周囲の人や状況などの関係を捉えるのが苦手。対人関係に影響するため、友だちとのトラブルが多くなることがある。ソーシャルスキルがなかなか身に付きにくい。
- 身体知覚の困難・・・体全体を使う動きをするとき、どのように体を動かせば良いのか分からない。姿勢のコントロールやバランスを取ることが苦手である。指を使う細かい動きが苦手である。
情報処理特性によるタイプ
- 言語性・・・音や言葉の聞き分けと理解、言語表現などの聴覚的な言語面でも問題を持つ。学習面では、文章の読解や作文に困難を示すことが多い。言語性IQが動作性IQに比べて著しく低い。
- 非言語性・・・形や位置関係、状況など視覚的に理解することが苦手で、それに伴った運動や行動面も問題も大きい。学習面では算数の両羽あ図形の概念の習得などが難しいことが多い。動作性IQが言語性IQに比べて著しく低い。
- 注意・記憶性・・・注意集中力や短期記憶能力に問題を持つ。言語性学習障害や、非言語性学習障害と重複することもある。学力の習得が記憶に頼る部分も大きいため、学力全般にわたって遅れやすい。
- 包括性・・・特定の能力に一貫した落ち込みがあるのではなく、いくつかの部分的な欠陥が重複して現れる。特徴を理解しにくく、適切な対応が得られにくい。学力面・行動面ともに深刻な問題をもつケースが多い。
学習障害の主症状は学力と言葉ですが、重複症状として社会性の困難、運動の困難、注意集中・多動による困難があげられ、これらの困難克服の支援も大切な視点です。
LD(学習障害)児は「勉強へのやる気がない」「怠けものだ」「サボっているだけ」などと捉えられがちでです。ですが、このようなLD(学習障害)の症状や困り感によって勉強へのやる気がなくなっている状態なのかもしれません。勉強へのやる気がないことを叱るよりも、どのようにサポートをすればこの困り感を解消できるのか、勉強の楽しさを伝えることができるのかを一緒に考えることの方が大切なのではないでしょうか?
発達障害児「体育や運動が苦手」な子どもにおすすめ!楽しんでできる運動ゲーム
今回は前回に引き続き、「体育や運動が苦手な発達障害児」に対する支援方法についてです。
発達障害がある子どもは、運動がとても苦手な子どもがいます。体の使い方が明らかにぎこちなかったり、手足の協調がとれていなかったりするため、運動に苦手意識を持ちがちで、徐々に運動するのを嫌がるようになり体育も見学したいと訴え始めます。ひどい場合は、外に出るのも嫌、体操服にな着替えるのも嫌という状態になることもあります。
このような発達障害児の体育や運動問題の対処法として、楽しんで体を動かせる運動ゲームをいくつか紹介していきます。
楽しくできる運動トレーニング
1.障害物をすり抜けようゲーム
机の下をくぐったり、ジャングルジムの中などを通り抜けるゲームです。このゲームでは、体の部分がぶつかったり触れたりすることが多くあるため、ボディイメージのトレーニングになります。
少しずつでもいいので毎日行うと、よりいっそう効果的です。
2.旗あげゲーム
左右に赤と白の旗を持ち、「右挙げて」「左挙げて」の言葉の指示に従って、間違えずに旗を挙げるゲームです。このゲームでは、体の左右を意識するボディイメージのトレーニングになります。
3.だるまさんがころんだゲーム
「だるまさんがころんだ」といっている間は動き、言い終わると同時に体の動きを止めるゲームです。指示にあわせて体を動かしたり止めたりするトレーニングになります。
筋肉の緊張や弛緩のコントロールが苦手な子どもは、急にぴたっと動きを止めることができません。自分の体の動きをコントロールする練習になります。
4.ストレッチ
姿勢や動きがぎこちない子どもには、関節を伸ばすトレーニングが有効です。腕や足のストレッチに取り組んでみましょう。
また、ストレッチを行う際に、今ここを伸ばしているんだよと伝えることで、ボディイメージを作るトレーニングにもなります。分かりにくそうな場合は、伸びている箇所に触れてあげるといいでしょう。ゆっくりリラックスした状態で、落ち着いて行うことが重要です。簡単なヨガなども効果的です。親子ヨガなども楽しいですね。
このように、体を動かし方を学べるトレーニングは無数にあります。
おにごっこやアスレチック、キャッチボール、バドミントンなども楽しく体を動かせるゲームになります。子どもが楽しんで取り組める運動を見付け、「できた!」という達成感を感じさせる機会をたくさん作ってあげましょう。
子どもは楽しく体を動かしながら、少しずつ自分の体のことを理解していきます。
運動が苦手だから外で遊びたくない・・・体育の授業を休みたい・・・となる前に、運動って楽しいんだよということを教えてあげましょう。大人も子どもと一緒になって楽しんで遊ぶことも大きなポイントです。
発達障害児のこんなときどうする!?「体育や運動が苦手」①
発達障害児の、こんなときどうする?コーナーです。このコーナーでは、具体的なお悩みを元に、発達障害児の理解の仕方や、支援方法などをまとめていきます。
今回は、「体育や運動が苦手な発達障害児」に対する支援方法についてです。
発達障害がある子どもは、運動がとても苦手な子どもがいます。体の使い方が明らかにぎこちなかったり、手足の協調がとれていなかったりするため、運動に苦手意識を持ちがちで、徐々に運動するのを嫌がるようになり体育も見学したいと訴え始めます。
このような発達障害児の体育や運動問題には、どのように対処していったらいいのでしょうか。
体育や運動が苦手な原因
発達障害児の中には、明らかに周りの友だちと同じような動きができず、運動や体育に苦手意識を持っている子どもがいます。特に、縄跳びや、ボール運動が苦手だったり、音楽やリズムに合わせて体を動かすことが苦手だったり、動き方もぎこちないことが多いです。この原因はいくつかあります。
①ボディイメージが弱い
発達障害の特徴としてあげられる、感覚の鈍さが原因で、ボディイメージが弱く、思ったように体を動かすことができないことが原因となっているケースです。
「ボディイメージ」とは自分の体や部位や動きを意識する力のことです。このボディイメージが弱いと、体のどこを今動かしているかといったことや、体のどこを今触られているかということがすぐに分からないことがあります。
このようなボディイメージの弱さから、「こう体を動かしたい」と子どもが思っていても、上手に体を動かすことができないため、運動の苦手感につながります。
②筋肉の緊張・弛緩のコントロールができない
指先や腕、足などに力を入れたり、逆に力を抜いたりというコントロールがうまくできず、姿勢がすぐに崩れてしまったり、スムーズな動きができなかったりします。また、いつも筋肉が緊張状態にある子どもは、力を抜くことができず、すぐに疲れてしまうことがあります。
これは、筋力が弱かったり、緊張と弛緩のコントロールが苦手なことが原因で、動きがぎくしゃくしたり、疲れやすくなる原因です。
③人の動きを見てまねるのが苦手
先生や友だちの動作を見て、それを自分でまねることがが苦手な子どももいます。視覚で捉えた情報を自分の体に置き換えて再現することが難しく、「このポーズしてみて」と言われても、できないことがあります。
「体育や運動が苦手な発達障害児」に対する支援方法
①できないことを責めない
自分ができないことや、他の子どもと違うことは、自分が一番よく分かっています。一生懸命頑張っているのに、「どうしてできないんだ」「やる気がないんだろう」と責められると、子どもはますます劣等感を感じ、「どうせ自分はできない」と練習の意欲もなくなっていきます。
頑張っている事実を認め、励ましてあげることが必要です。
②一人で練習させるよりも指導が必要
むやみに練習時間を確保するだけでは、できるようになりません。特に発達障害をもっている子どもは、自分で自分の体を思い通りに動かすことが苦手なので、どこをどう直せばできるようになるかも分かっていないケースが多いです。苦手な部分をカバーするような練習が必要となるため、大人と一緒に考えながら練習する必要があります。
③できそうなことからスモールステップで
到達目標を下げることで、「できた!」という体験を多く経験させてあげるようにします。縄跳びの跳ぶ回数を減らしたり、ボールが投げられない場合は、ボールを転がすというところからスタートしたり、簡単な課題から徐々にスモールステップを踏めるように段階を設定してあげると、意欲を持ち続けることができるでしょう。
④楽しく運動ができる機会を増やそう
できないことを克服するための「特訓」や「トレーニング」ではなく、楽しんで体を動かせる機会をおおく作ってあげましょう。そうすることで、発達障害があっても子どもは徐々に体の使い方を学んでいきます。
家族でアスレチックに遊びにいったり、公園で追いかけっこをするだけでもかまいません。子どもが笑顔で「運動って楽しいんだ」「体を動かすことは楽しいことだ」と感じられることが一番です。
上手か下手かに関係なく、体を動かすことは楽しいし、もやもやした気分も発散されるという感覚を味あわせてあげることが、将来のためにも大切です。
発達障害児のパニックにならないためのトレーニング方法
発達障害のある子どもは、急に取り乱して泣いたり、ものを投げつけたり、自分を傷つけたりしてパニックを起こす場合があります。
本人にしか分からないようなことが原因でパニックが起こっていることも多く、困惑してしまうこともあるでしょう。
今回はそんな発達障害児のパニックの原因や対処法についてまとめていきます。
発達障害児のパニック
パニックとは?
発達障害児が陥る「パニック」には、決まったパターンはありませんが、主に不適応の状態(子どもによって違うが、大きな音や、ものの配置、思い通りにならないことなど)により、本人の不安が高まったときに起こることが多いと言われています。
床に寝転がって暴れたり、ものを投げつけたり、自分自身を傷つけたり、場合によっては、友だちに危害を加えるなど周りの人を巻き込んでしまうケースもあります。
パニックの原因
パニックの原因は、「不適応状態」という、なんらかの理由があります。ただし、その不適応状態の原因は、周囲の人に分かりにくい場合も少なくありません。
よく見られるケースとしては、大きな音や特定の音に対してパニックになることがあります。これは、発達障害児の特徴でもある感覚過敏によるものです。私たちが聞いても何とも思わないような音に不快感を感じたり、強い恐怖や不安をかきたてられることがあるようです。
また、音への反応だけではなく、急な予定変更や、変化が起こることや、自分の思い通りにならなかったこと、ものの配置や掲示板が変わったこと、こだわりがあることに口や手を出されたことなどが原因でパニックになるケースもあります。これも、発達障害児の特徴の一つであるこだわりの強さが原因とされています。
パニックが起きたときの対処法はこちらの記事にまとめています。参考にしてください。
パニックにならないためのトレーニング
感情コントロールの練習
興奮したときに自分で落ち着かせることができるように、感情コントロールのトレーニングをすることで、パニックをおさえることができるようになってきます。
感情の高ぶりを表すグラフを用いて、「今の気持ちはどこ?」と尋ね、自分の感情がどれくらい興奮しているかを自覚させます。爆発しそうになる手前で我慢している様子がみられたらすかさず「がまんできているね。えらいね。」と我慢していることを褒め、感情のコントロールができるように導いていきます。また、クールダウンができたときも褒めます。
不快感を感じたときの対応練習
パニックの原因が、不快な音や急な予定変更の場合、そういった不快感を感じたときにどのように対応すれば良いかの練習を行うことも効果的なトレーニングです。
不快な音がする場合、自分で判断して耳栓をつけたり、「この音は苦手なので他の部屋に行ってもいいですか?」などと尋ねると不快感を払拭することができることを教え、実際にロールプレイをしてみましょう。
自分で不快感を回避できるようになることは、将来のことを考えても必要なスキルです。子どもが小さいうちは周囲の大人がパニックを起こさないような環境を作ることがパニックの予防になりますが、不快感を感じたときの回避方法のトレーニングも少しずつ行うようにしましょう。
発達障害のこんなときどうする?「一方的に話し続ける」
発達障害がある子どもの中には、授業中当てられてもいないのに勝手に発言してしまったり、友だちと一緒にいる場面で、自分だけ一方的に話し続けてしまったりすることがあります。
人の話を聞かなかったり、別の人が話している途中なのに割り込んで自分の話をしてしまうこともあるため、「自分勝手な子」と思われ、友だちとの人間関係にも影響が及びます。
こういった一方的に話し続けてしまう子どもには、どんな対応策があるでしょうか。また、どうして一方的に話し続けてしまうのでしょうか。
「一方的に話し続けてしまう子ども」の原因と対策についてまとめていきます。
「一方的に話し続けてしまう子」の原因は?
一方的に話し続けてしまう原因として、2つのことが考えられます。
1.状況を判断する能力が低い
周りの状況を判断する能力が低いため、一方的に話し続けてしまうパターンです。それによって友だちが不快な思いをしていることにも自分では気付きにくく、コミュニケーション上の問題にもなります。人と円滑に接する為に必要なソーシャルスキルを身につける必要があります。
2.衝動性がある
「授業中は勝手に話してはいけない」というルールは理解できているのですが、実際に話したくなったときには、話してしまっているパターンです。衝動性があり、ルールを守ることが難しいといった特徴を持っています。友だちが話しているときにも、気付いたら友だちの話を遮って自分の話したいことを話してしまう場合もあります。
「一方的に話し続けてしまう子」への対策は?
1.「会話のルール」を教える
自分のことだけを一方的に話していたり、相手の話をきちんと聞いていない様子に気付いたら、「○○ちゃんも聞いてほしいことがあるみたいだよ」と教えるようにします。家族内の会話でも、「話を聞くときは相手の目を見る」や、「会話に入りたいときは一言断ってから話す」などの「会話のルール」を教え、家族みんなで守り合うと良いトレーニングになります。
2.ロールプレイで「聞き役」の練習を
自分の話ばかりをしてしまう子どもには、会話のロールプレイを行い、相手の話を聞くときは黙って聞くことの練習をしましょう。「話し手」と「聞き手」を決め、話し手だけが話していいルールにします。質問や話したいことができたときは、ぐっと我慢をして、自分が話し手になってから話せるようになるといいですね。
間違った対策とは?
1.説明しても変わらないからスルーする
「会話のルール」を説明しても、すぐに同じことをするし、説明するだけ無駄だとその行為をスルーしていると、子どもの学びはなくなってしまいます。
発達障害児はワーキングメモリの問題もあると短期記憶が弱く、すぐに忘れてしまいますが、同じことを繰り返すことによって確実に学習していきます。スルーしてしまうと子どもは自分の行動を振り返ることもしません。大人が諦めずに指導を重ねましょう。
2.厳しく叱る
その都度指導は必要ですが、あまり厳しく叱る必要はありません。叱られ続けると、「自分はダメな人間なんだ」「頑張ってもできるようにならないんだ」と思い込むようになってしまい、自己肯定感も低くなってしまいます。
発達障害児の育て方ポイント!集中できる環境づくり
発達障害をもつ子どもは、集中を持続させることが苦手です。
少しの刺激で別の方に集中が向いてしまい、気づいたら全く別のことをやっていた・・・ということが日常茶飯事です。
特にADHDの衝動性を持つ子どもたちには、その特徴が顕著に現れます。
また、自閉症スペクトラムのある子どもの場合、場所と目的を結びつけて認識していることがあり、「何をしてもよい空間」という設定に不安を感じるケースもあります。
今回は、そんな発達障害児の育て方ポイント5回目として、発達障害を持っている子どもが集中できる環境づくりのポイントについてまとめていきますね。
- 集中できる環境づくり
- 環境づくりのポイント
- 余分な情報にさらさない
- 学校でも環境づくりは大切!
- 集中しやすいおすすめ場所
- 最後に
続きを読む
もう子育てなんか嫌だ!育てにくい子ども
子育てをしていて、こんな風に思うことはありませんか?
- 「この子は、育てにくい子だなあ。」
- 「どうして何度も言ってるのに変わらないの?」
- 「こんなにしてあげてるのにどうして?」
- 「なんでできないの?」
- 「どうしてこうなの?」
子育てには、様々な悩みがつきものです。 なぜなら、子育てには正解がないから。 そして、子育ての成果はすぐに表れるものではないから。
一昔前の時代であれば、学校が、地域が、祖父母が・・・様々な方向から子どもを見守り、子育てのサポートを受ける機会も多かったように思います。
しかし現在、核家族化、地域の関係性の希薄化、両親の共働き率の増加、様々な境遇を抱えしんどさを持っている子どもたち。
様々な原因から余裕を失い、「もう子育てなんて嫌だ!」と困っているお母さん、お父さんも多いのではないでしょうか。
しかし、困っているお母さん、お父さん以上に、困っている人がいるかもしれません・・・
それは、頑張りたいのに、ほめられたいのに、いい子になりたいのに・・・
と思っている子ども自身です。
・・・いやいや、ならちゃんとしてよ!と思ったあなた笑
くすのきしげのりさんの絵本「おこだでませんように」を一度読んでみてください。
別の視点から子どもを見るきっかけになります。
「困った子=困っている子」かもしれませんね。
いろいろと考えさせられる絵本です。
「親の心子知らず」とは言いますが、「子の心親知らず」ともいえるのではないでしょうか。
- 作者: くすのきしげのり,石井聖岳
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/06/01
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