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個別学習塾・元小学校教諭・発達障害教育・二児ママの記録帳 〜人生は楽しんだもん勝ちだ〜

発達障害、こんなときどうする?「パニックが起きたとき」

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発達障害児の、こんなときどうする?コーナーです。このコーナーでは、具体的な悩みを元に、発達障害児の理解の仕方や、支援方法などを、シリーズものとして書いていきます。

今回は「パニックが起きたとき」の支援方法についてまとめていきます。些細なことからパニックが起こり、泣きわめき、怒っている姿を見ると、びっくりしてしまいますよね。こういったパニック問題には、どのように対処していったらいいのでしょうか。

パニックの現れ方

パニックの現れ方には、様々なパターンがあります。大きな声を出して泣き叫ぶ、その場から走り去って逃げる、立ちすくんだまま動けなくなる、自分の頭や腕をたたいたり壁に打ち付けたりする、他人にものを投げたり噛み付いたりするなど、自分や相手に攻撃的になるパニックもあります。

パニックの原因

パニックが起こるときには、必ずその子なりの原因があります。パニックが起こっている間は、何を言っても聞く耳を持たず、意思の疎通もとりにくいため、周囲の人はうろたえてしまいます。

しかし、自分の感情がコントロールできずにパニックに陥っている本人も、どうしたらいいのか分からず困っている場合が多くあります。周りに注目されたいためにパニックになっているのではないということを理解してあげましょう。パニックが起きるということは、何かに対して本人が不安になったり、困ったりしているというサインなのです。発達障害の子がパニックになりやすい原因として次のものがあります。

  1. 感覚過敏によるもの(大きな音が聞こえた、突然触られたなど)
  2. 特定のこだわりによるもの(急な予定変更、座りたい場所を他人に取られた、続けたい活動が中断させられたなど)
  3. 過度の興奮によるもの(嬉しすぎる、楽しすぎるなど興奮状態になることで、自分の気持ちのコントロールができなくなってしまうなど)

また、私が体験した実例として、国語の授業で「登場人物の気持ちを考える」などの特定の課題が出ると固まってしまう、皆の前で発表するとなると固まってしまうなど、不安からくるパニックもよくみられました。

「そんな些細なことなのに」「少し我慢すればすむことなのに」と思いがちですが、発達障害を持っている人の感覚というものはなかなか正しく理解してあげることができません。子ども自身は、私たちが思っている以上に耐えきれない苦しみを抱えている可能性があるということを理解して接する必要があるのではないでしょうか。

 

パニックが起きたときの対処法

①刺激の少ない場所に移動させる。

②危険なものを遠ざける。

③パニックがおさまるまで、静かに見守る。

④おさまったら褒める。

 

パニックを防ぐには

子どもをよく観察し、どのような状況だとパニックになりやすいのかを理解して、できるだけそういった状況を作らないように配慮することが望ましいです。急な予定変更がある場合も、事前に予定が変わるかもしれないことを伝えておくとパニックを起こしにくくなります。

また、パニックを起こす原因や、自分が不快な思いをすることが分かってきたら、「ことばで伝える」ことを教えてあげましょう、「その音やめて」「触らないで」と自分で言うことができるようになれば、パニックを自分から回避することができるようになります。訴えれば対応してもらえるんだということが分かれば、子どもはことばで自分の意志を伝えるようになり、急にパニックを起こすこともなくなっていくでしょう。