発達障害児が困難さを感じる「実行機能」とは?
自閉症やADHDなどの発達障害を持っている子どもは、実行機能に問題を抱えている場合が多いです。
一人で宿題を終わらせることができない、目的の場所にたどり着くことができない・・・
これは、実行機能の問題かもしれません。
一体、実行機能とは何でしょうか?今回は、実行機能について詳しくみていきます。
実行機能とは?
実行機能の定義
実行機能とは、目標を定め、その目標のために自己管理し、処理していく能力のことです。
簡単に言うと、目標に向かって臨機応変に対応し、実行することです。
通常私たちは、この実行機能を無意識のうちに働かせ、作業や課題をこなしています。
様々な物事を進めるにあたって基礎となる、日常生活や学習を支える大切な能力です。
ところが、発達障害のある子どもは、実行機能が弱く、様々な困難を抱えているケースが多いのです。
トーマス・ブラウン博士の「実行機能」
1.起動(やる気スイッチ)
2.集中
3.努力
4.感情コントロール(ストレスマネジメント)
5.記憶(ワーキングメモリー)
6.行動
トーマス・ブラウン博士によって、実行機能は6つの能力があると定義づけられています。実行機能障害といっても、これらの6つの能力のうち、どこに問題があるのかを見つけ対応していくことが大切です。
実行機能がうまく働かないと?
実行機能がうまく働かないと、様々な困難を感じることが多くなります。
約束を忘れる(守れない)
話に集中できない(人の話が聞けない)
人の話をさえぎって話す(わがまま)
大切なものをすぐになくす(責任感不足)
元に戻すのを忘れる(だらしがない)
急に変更する(計画性がない・うそつき)
ケアレスミスが多い(不真面目)
最後までやらず、途中で止める(勝手な行動)
このように、悪気があってした訳ではないけれど、された側からすると「ちゃんとしてよ!」と思ってしまうことが多々起こります。こういったことが原因で、他人とうまく関係を築くことができなかったり、自尊感情の低下を招くことになります。
最後に
実行機能が弱くても、環境を整えてあげることで、物事を進めやすくなることがあります。
悪気があってさぼりたいからしているわけではない。
ということを理解し、どうすればその子どもにとって困り感を取り除くことができるのかを考えることが必要です。