LD(学習障害)のチェック項目 〜うちの子、発達障害?〜
今回は、発達障害の一つであるLD(学習障害)の特徴についてまとめていきます。LDは、Learning Disorders、または、Learning Disabilitiesの略称で、日本語では「学習障害」といいます。
LD(学習障害)の特徴
①音読が不得意
授業中に教科書の音読をする機会は多いですよね。音読の宿題が出ることも少なくないでしょう。LDの子は、スラスラ読むことができず、一文字一文字を追いながらたどたどしく読んでいたり、音節で区切らずに、単語の途中で切って読んだりします。
例えば、「くまさんがりんごを食べました。」の場合、「くまさんが/りんごを/食べました」と切るのが通常ですが、LDの場合、「くまさんがり/んごをた/べました」という風になることがあります。
また、読み間違いも多く、「あ」と「お」、「め」と「ぬ」、「わ」と「ね」など、似たような文字を間違えてしまったり、単語や行を飛ばして読んでしまったりします。
何度か読んでいくうちに上手になった!と思っていても、それは、文章を暗記してしまっただけかもしれません。読む場所が変わると、一から暗記し直さなければならないので、本人にとっては過度のストレスがかかり、音読を嫌がる傾向にあります。もちろん読んでいる本人は、意味がまったく理解できず、一文字一文字を一生懸命追っているだけなので、音読する意味もありません。
文字を目で追いながら、意味のあるまとまりにして理解し、それを音声に変換するというプロセスにおいてどこかにつまづいているものだと思われます。
音読の支援方法はいくつかあるので、またの機会に紹介したいと思います。
②文字が正しく書けない
「わ」と「れ」、「シ」と「ツ」など、形が似ている字を間違えてしまうことが多くあります。また、左右を裏返したような「鏡文字」になってしまう子もいます。
漢字になるともっと形が複雑になるため、横棒がや縦棒が多くなったり少なくなったりします。お手本を見ながらだと書くことができても、お手本を隠すと書けない子、文字を正しく覚えることができ、それを発音することはできても、その漢字を思い出して書くことはできない子など、表面的に見れば「正しく文字が書けない」状態ですが、どこに困り感があるのかといった原因は一人ひとり違ったところにあることも多いです。
③計算問題が苦手
小学校高学年になっても、指を使って足し算引き算をしたり、繰り下がりや繰り上がりのある計算で混乱してしまったり、筆算などの計算方法をすぐに忘れてしまったりします。
④図形の理解が困難
図形の認知に困難を伴う子もいます。ある図形を見ながら描いても同じ形が描けなかったり、立体図形などは、見えない部分がどうなっているのかを想像することができない子もいます。
⑤文章題が解けない
ディスレクシアの場合、文章を読もうとしても、一文字一文字を追うだけで意味が全く入ってこないため、文章問題を解くのが難しい傾向にあります。ただし、横で問題を読んでくれる人がいればすらすらと答えたり、立式できる子もいます。
終わりに
このように、LD(学習障害)といっても、様々な特徴があり、この症状だったらLDといった決定的なものはありません。また、ADHDや発達性協調運動障害を併せ持っていることも多く、特性は本当に一人ひとり違います。表面的には同じに見えたとしても、本人が感じている困り感の原因は違っていたりします。診断名で判断せず、一人ひとりの特性に向き合い、困り感を解決していく方法を探っていくことが大切です。