【発達障害児の支援】学習支援ツールを活用して困り感の軽減を!合理的配慮の考え方
発達障害があると、様々なことに不便を感じがちです。
特に、学習面においては苦労することがたくさんあるでしょう。
音読・文字の読み書き・計算など学校の学習の中には、発達障害児が困り感を感じるものがたくさんあります。
視力が悪い人が眼鏡をかけるように、発達障害児にも、困り感を軽減できる学習支援ツールの使用が効果的です。
その子どもにあった学習支援ツールを探し出し、積極的に使用しましょう。
今回はそういった発達障害児のための学習支援ツールの活用についてまとめていきます。
学習支援ツール
①音読補助シート・カラーシート
音読補助シートは、音読が苦手な子どもに効果的です。1ページに書かれている情報量が多すぎて、注意が散漫になってしまうことを防いでくれます。
読むべき行だけを目立たせ、他の部分を隠せるため、行の読み間違いが少なくなります。
また、色のついたカラーシートを文字の上に重ねるだけで文章が読みやすくなるケースもあります。カラーシートの色もその子どもによって「合う」「合わない」があるため、一度色々とためしてみるといいですね。
②タイマー
時間の経過が理解しにくい子どもには、タイマーの使用が効果的です。
残り時間が目でみて理解でき、テストのときなど有効に使えます。
また、発達障害児は、「やめる」ことが苦手なことが多いです。
自分の好きなお絵描きや本を読むことなどをやめられないケースが多いので、「あと○分ね」と時間を区切るために、タイマーを使用するのも効果的です。
ただし、時間を忘れて没頭できるものがあるのは素敵なことです。その能力を伸ばしてあげることも検討してあげるといいと思います。
③子どもに合ったマス目のノート
発達障害児は、小さな文字を書くのが苦手だったり、筆算の桁を揃えて書くのが苦手な場合があります。
そのときは、その子どもに合ったマス目のノートを使用するのが効果的です。
ADHDやLDのある子どもは、文字の大きさを均等にしたり、桁を揃えて書くことが苦手なことが多いです。
筆算の場合、桁をずらして書いてしまうと計算ミスにつながります。
また、漢字を書くときに小さなマス目だと、線の本数や形などが曖昧になります。
大きなマス目のノートに、大きく丁寧に書くことを心がければ、文字の書き間違いも減らすことができます。
学校では学年が上がるにつれてますが小さいノートを使うことが自然と多くなります。しかし、そのノートが合っていないことでノートを書くのが嫌になったり、先生に注意されることが増えてしまったりするのであれば一度違うノートを試してみることをお勧めします。
ノートによっては、一ますの中にさらに十時の線が書かれているノートもあります。それも、子どもによって「書きやすい」「書きにくい」があるようです。一番書きやすいノートはどれか、そして、そのノートを使うと自分も使いやすいし、周りからも褒められることが多くなるといった経験をすることで、ノートを書くストレスが軽減されるかもしれません。
④iPhoneやiPadなどのIT機器・デジタル教材
iPhoneやiPadなどの電子機器類もとても効果的なツールです。
学校で使用するには、許可が必要になりますが、最近ではそういった支援ツールもどんどん使っていこうという流れになってきています。
平成28年4月には、「障害者差別解消法」が施行され、その中には「合理的配慮」の考え方が含まれています。
「合理的配慮」という考え方によって、今まで「前例がないから」「ひとりだけ特別対応はできない」と言われていたものでも、学校側が配慮することが義務となりました。
配慮しないと法律違反ということになるのです。
ノートの板書を写すのが困難な子どもは板書を写真に撮って画像として保存したり、漢字の書き順や正しい形を動画で、自分に合わせたペースで見ることができるアプリなども開発されており、それらをうまく活用することで、発達障害を持っていても困り感を最小限に抑えることができます。
まずは、必要なアプリをいろいろと試してみることが必要でしょう。
詳しいアプリなどの詳細はまた後日まとめたいと思います。
このように、発達障害児が使える学習支援ツールはたくさんあります。
どれを使えば、子どもの困り感が軽減するのか、いろいろ試しながら、その子スタイルを作り上げることが理想です。