ADHDの診断方法・チェック項目
今回は、ADHDのチェック項目や特性についてみていきます。
ADHDの診断方法
ADHDの診断とは言っても、こうだからADHDといった明確なものはありません。問診や視診、検査結果などに基づき、診断基準にも照らした上で診断をつけます。症状の程度が軽い場合や、併存障害がある場合は、診断に時間がかかることもあります。
また、ADHDの診断は、家庭以外の場所での子どもの状態を評価する必要があります。ですから、学校や幼稚園・保育園での子どもの様子を教えてもらったり、チェックリストに記入してもらったりなどの協力を求めることが好ましいです。その他にも、学校の通知表や子どもが書いたノート、幼稚園・保育園の連絡帳なども、診断の参考になります。
ADHDチェックリスト(SNAP)
①注意欠陥
- いったんはじめたことを最後までやりきれない。
- しばしば人の言うことを聞いていないようにみえる。
- すぐに気が散る。
- 集中力が必要な宿題などをやりとげることができない。
- 遊んでいてもすぐに飽きてしまう。
②衝動性
- よく無思慮に行動する。
- ひとつのことに熱中したかと思うとすぐに他のことに気が散る。
- 課題を順序立てて行えない。
- 何をするにしても付きっきりの指導が必要。
- ゲームや遊びの順番を待てない。
③多動性
- 走り回ったり高い所にすぐ上がったりする。
- 静かに座っていられない。
- いつもモーターで動かされているように動き回る。
④友人関係
- すぐにぶったり、けんかをしたりする。
- ほかの子から嫌われている。
- 他人の邪魔をよくする。
- 他人に命令ばかりする。
- ほかの子どもをよくいじめる。
- 集団遊びに参加しない。
- すぐにかんしゃくを起こす。
評価
この項目にそれぞれ、全くない(0点)・時々(1点)・しばしば(2点)・いつも(3点)といった点数がつけられるが、何点以上だからADHDであるという評価はできません。点数が高いほどADHDの可能性が強くなります。薬物療法や行動療法などの治療の効果を評価するときにも活用することができます。