WISC知能検査とは?発達が気になるときの心理検査
現在、各地の医療機関や教育機関で使われている
「ウェクスラー式知能検査」。
学童期の子どもがいる場合は、
「WISC知能検査」「WISC-Ⅳ(ウィスク4版)」
という呼び方の方が聞き覚えがあるかもしれません。この心理検査は、年齢によって3つの検査で構成されています。一体どのような検査なのでしょうか。
ウェクスラー式知能検査とは?
ウェクスラー式知能検査は、年齢によって3つの検査で構成されています。
①幼児版(対象年齢3歳10ヶ月〜7歳1ヶ月)のWPPSI <ウィプシ>
②学童版(対象年齢5歳0ヶ月〜16歳11ヶ月)のWISC <ウィスク>
③成人版(対象年齢16歳0ヶ月〜89歳11ヶ月)のWAIS <ウェイス>
1939年、アメリカの心理学者デービット・ウェクスラーが、知能を「個人を取り巻く外界を理解し、処理する能力の総体」と捉え、成人知能検査(ウェクスラー・ベルビュー知能検査)を発表しました。
それ以来、幼児向け、児童向けなどの検査が作成され、時代に合わせて改訂され、広く世界に広がっています。現在では、「WISC-Ⅳ(ウィスク4版)」が主流となって使われています。
WISC-Ⅳとは?
幼児期から学童期対象のWISC-Ⅳに関して詳しくみていきましょう。
WISC-Ⅳは、10種類の基本下位検査(必ず行う検査)と、5つの補助下位検査(状況に応じて行う検査)で構成されています。
質問に対して、言葉で答えたり、指差しをして回答したり、実際に記号を書いたりします。
検査時間
検査時間は子どもの年齢や、考えてから答えるまでの時間によって多少の差はありますが、おおよそ1時間から1時間半ほ程度かかります。
WISC-Ⅳでわかる4つの能力
WISC-Ⅳの検査では、10の下位検査の合計の結果から、子どもが同年齢の子どもの中でどの知的発達水準にあるかがFSIQ(Full Scale Intelligence Quotient)という数値で知ることができます。
また、WISC-Ⅳ検査では、4つのグループの能力をそれぞれはかり、その得点間のばらつきによって能力特性を把握することができ、本人の中での得意・不得意の傾向を知ることができるようになっています。以下が4つの能力の詳しい説明です。
①言語理解
ことばをまとめて考える力、ことばによる推理力や思考力、ことばによる知識の習得能力
②知覚推理
ことばによらない(視覚情報に対しての)推理力や思考力空間を把握する力、目で見ててで表現する力
③ワーキングメモリ
聴覚的なワーキングメモリ、注意や集中する力
④処理速度
視覚情報を速く、性格に処理する力、注意視覚的な短い記憶能力、目で見て書く能力
検査の結果から
全体の水準が低かったり、偏りが大きい結果が出たとき、保護者は落胆するかもしれません。しかし、検査の意義は、検査結果を踏まえてこれからどのようにサポートすればよいかのヒントを得られるということです。
子どもに何を、どの程度、どのような方法で身につけさせればいいのかを知り、生活や学習に検査結果を活かしていくことが大切です。
偏りが大きい場合は、得意な力を利用して苦手なことを身につけることが基本となります。例えば、「言語理解」の得点が低く、「知覚推理」の得点が高い場合は、多くの言葉で説明するのではなく、端的で具体的な言葉がけとともにやってみせる、そのものを見せるなど、視覚的な情報を与えてあげることで、理解しやすくなります。
このように、
発達検査は今現在の子どもの発達状況を知り、未来に活かしていくための検査です。
検査結果が大事なのではなく、その後の対応が大切になってくるのです。
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