発達障害児のパニックにならないためのトレーニング方法
発達障害のある子どもは、急に取り乱して泣いたり、ものを投げつけたり、自分を傷つけたりしてパニックを起こす場合があります。
本人にしか分からないようなことが原因でパニックが起こっていることも多く、困惑してしまうこともあるでしょう。
今回はそんな発達障害児のパニックの原因や対処法についてまとめていきます。
発達障害児のパニック
パニックとは?
発達障害児が陥る「パニック」には、決まったパターンはありませんが、主に不適応の状態(子どもによって違うが、大きな音や、ものの配置、思い通りにならないことなど)により、本人の不安が高まったときに起こることが多いと言われています。
床に寝転がって暴れたり、ものを投げつけたり、自分自身を傷つけたり、場合によっては、友だちに危害を加えるなど周りの人を巻き込んでしまうケースもあります。
パニックの原因
パニックの原因は、「不適応状態」という、なんらかの理由があります。ただし、その不適応状態の原因は、周囲の人に分かりにくい場合も少なくありません。
よく見られるケースとしては、大きな音や特定の音に対してパニックになることがあります。これは、発達障害児の特徴でもある感覚過敏によるものです。私たちが聞いても何とも思わないような音に不快感を感じたり、強い恐怖や不安をかきたてられることがあるようです。
また、音への反応だけではなく、急な予定変更や、変化が起こることや、自分の思い通りにならなかったこと、ものの配置や掲示板が変わったこと、こだわりがあることに口や手を出されたことなどが原因でパニックになるケースもあります。これも、発達障害児の特徴の一つであるこだわりの強さが原因とされています。
パニックが起きたときの対処法はこちらの記事にまとめています。参考にしてください。
パニックにならないためのトレーニング
感情コントロールの練習
興奮したときに自分で落ち着かせることができるように、感情コントロールのトレーニングをすることで、パニックをおさえることができるようになってきます。
感情の高ぶりを表すグラフを用いて、「今の気持ちはどこ?」と尋ね、自分の感情がどれくらい興奮しているかを自覚させます。爆発しそうになる手前で我慢している様子がみられたらすかさず「がまんできているね。えらいね。」と我慢していることを褒め、感情のコントロールができるように導いていきます。また、クールダウンができたときも褒めます。
不快感を感じたときの対応練習
パニックの原因が、不快な音や急な予定変更の場合、そういった不快感を感じたときにどのように対応すれば良いかの練習を行うことも効果的なトレーニングです。
不快な音がする場合、自分で判断して耳栓をつけたり、「この音は苦手なので他の部屋に行ってもいいですか?」などと尋ねると不快感を払拭することができることを教え、実際にロールプレイをしてみましょう。
自分で不快感を回避できるようになることは、将来のことを考えても必要なスキルです。子どもが小さいうちは周囲の大人がパニックを起こさないような環境を作ることがパニックの予防になりますが、不快感を感じたときの回避方法のトレーニングも少しずつ行うようにしましょう。