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個別学習塾・元小学校教諭・発達障害教育・二児ママの記録帳 〜人生は楽しんだもん勝ちだ〜

【発達障害おすすめ本】「跳びはねる思考」東田直樹 自閉症を知る

f:id:ka7a-mama:20170608221057j:plain 自閉症は生まれつきの脳機能障害で、コミュニケーションや日常生活にさまざまな困難を伴います。赤ちゃんのとき(1〜2歳の頃)に自閉症のサインが出てくることが多く、1歳半検診などで、自閉症の可能性を指摘される場合もあります。赤ちゃんのときにみられる自閉症サインは、指差しをせずに目的のものがある場所まで親の手を引っ張っていくクレーン現象や、名前を呼んでも振り向かない目を合わせない言葉の習得が遅いことなどがあげられます。

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重度の自閉症だと、大人になっても会話がオウム返しだったり、自分から言葉を発して気持ちや想いを伝えることができないケースもあります。また、奇声をあげたり、常同運動といわれるような手をひらひらさせたり、くるくるまわったりする意味のない行動を繰り返すなど、私たちには理解できない部分が多いのも事実です。

「跳びはねる思考」東田直樹

跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

今日紹介する「跳びはねる思考」の著者である東田直樹さんは、会話もできない重度の自閉症を持っています。会話もできない東田直樹さん本人が、実際に考えていることを本にしたものです。会話もできないのになぜ本をかけるの!?と私も本を見つけたときは驚きました。なんと東田直樹さんは、自分で言葉を発して想いを伝えることはできないのですが、キーボードや文字盤を使って自分の想いを伝えることができるのです。

この「跳びはねる思考」の書籍の前にも、東田さんは13歳のときに自閉症の僕が跳びはねる理由」という本を執筆しています。2013年7月には、イギリス題「The Reason I Jump」としてイギリスで翻訳されました。その後、この本は20カ国以上で出版され、アメリカ・カナダではアマゾンのブックランキングで1位を獲得するなど、世界中で異例のベストセラーとなっています。

自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心

自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心

東田さんは、文字盤を指差しながら言葉を発していく「文字盤ポインティング」という方法で会話されていますが、どうしてその方法であれば会話ができるのでしょうか? 東田:僕は話そうとしたときに頭の中が真っ白になります。そのために、言いたかった言葉を思い出すきっかけとして文字盤を使っています。

このように、文字盤を使ってインタビューにも答えることができるのです。しかし、インタビュー中も取材用カメラに「ニコン」と書いてあるのを見て、東田直樹さんの口からは「ニコンニコン」という会話に関係のない声が出たり、じっと椅子に座っているのではなく、ドアから出たり入ったりを繰り返したりしながらインタビューを受けているのです。

この本を読むと、例え会話ができないほど重度の自閉症を持っていたとしても、様々なことを考え、感じているのだと気付かされます。そして、その人にあったやり方を見つけると、会話までできる可能性があることが分かります。自分とは違う感性で生きている人と会話するのは驚きの連続で楽しいですよね。「そんなことを考えてるんだ!」「そういう感じ方をしていたんだ」様々な発見のあるオススメの一冊です。