ビジョントレーニングとは?どんなことをするの?留意点は?
発達障害を持った子どもは、
黒板の板書をうまくノートに写せなかったり、
歩いているときに障害物にぶつかりやすかったり、
本を読んでいても、同じ行を何度も読んでしまって全く進まない・・・
といったことで困り感を感じているケースもあります。
そんな子どもたちに効果的とされているのが「ビジョントレーニング」といわれるものです。いったいビジョントレーニングとはどのようなものなのでしょうか。今回はビジョントレーニングについて詳しくみていきます。
ビジョントレーニングとは?
ビジョントレーニングの目的
ビジョントレーニングは、視覚と運動の連動が苦手な人のためのトレーニングです。
人は、視覚的に見たものを脳で認知し、それに対してどう動くかの指令を脳が筋肉に送り、命令を受けた筋肉が動き身体が動きます。視覚と運動の連動が苦手な子どもは、これらの動作の中のどこかに不具合が生じてしまい、思ったように動けないのです。
ビジョントレーニングは、眼球運動・視空間認知・ボディイメージのなかから、問題のあるものを組み合わせて、全体として1日10〜20分程度行うのが理想です。毎日少しでもいいので取り組むことによって改善効果はあがります。
トレーニングの留意点
視覚機能の問題は、多くの場合、トレーニングや眼鏡で改善することが可能です。しかし、ビジョントレーニングをすれば発達障害の学習面も全て改善するという訳でもありません。発達障害の音読がうまくできない問題やはさみをうまく使えないなどの問題は、視覚機能だけではなく、聴覚機能や言語理解、思考力、運動機能などの問題を併せ持っていることがあるからです。
また、ビジョントレーニングの中には、見る力に問題のある子どもからするととても労力を要するトレーニングもあります。子どもの様子を観察しながら、その子どもに合わせて進めていくことが大切です。
ビジョントレーニングは楽しく遊び感覚で取り組むことが理想です。厳しく指導するのではなく、大人も楽しんで取り組みましょう。
ビジョントレーニングを行う前に
・眼科を受診し、視力の問題や眼の病気がないかどうか調べましょう。
・遠視、乱視、近視などがある場合は眼鏡などで矯正を行ってからトレーニングをはじめましょう。
・進行中の眼の病気などがあっても、眼を動かすと危険などということがなければ、視覚機能のトレーニングはだいたいにおいて可能です。
ビジョントレーニング例 「ビー玉キャッチ」
「ビー玉キャッチ」は、目でものを追う力(眼球運動・視覚的注視)と、目で捉えた情報に合わせて手を動かす力(目と手の協応)の発達を促します。転がってくるビー玉を見ながら、動きを予測し、身体を動かすトレーニングです。
①テーブルを挟んで、指導者と子どもが対面します。
②指導者はテーブルの上にビー玉を転がし、子どもは紙コップを持ってビー玉をキャッチします。
このようなゲーム感覚で楽しみながらできるビジョントレーニングは数多く存在します。このブログでも少しずつ紹介していきますね。実際にka7a-mamaがこの「ビー玉キャッチ」を子どもとした時は、とっても盛り上がりました。はじめはビー玉をしっかり見ているのに、なかなかビー玉の落ちてくるところに紙コップを持っていくことができず、何度もビー玉を落としていましたが、ビー玉をゆっくり転がすなどしながら何度か練習するとと、みるみるうちに上達していました。こういった「できた!」の体験も、発達障害児にはとっても大切な経験です。