ソーシャルスキルトレーニング実例集④「順番を待つ」
今回は、ソーシャルスキルトレーニングの実例④を紹介していきます。
今日紹介するソーシャルスキルは、順番を待つことのトレーニングになります。ゲーム感覚で楽しく取り組んでいきましょう。
順番を待てない理由と対策
発達障害がある子どもで、順番が待てないタイプは、衝動性の高さが見られます。衝動性が高いと、「やってみたい!」と思った瞬間やってしまったり、話を聞いているときに思うことがあるとすぐに言葉に出していってしまったりします。
集団活動において「待つ」という行為は様々な場面で必要なスキルになります。少しずつセルフコントロールができるようにトレーニングをしていくことが大切です。
人は必要性がなければ待ったり、我慢したりすることはできません。順番待ちをすることで、友だちと楽しく遊ぶことができる体験や、順番は必ずまわってくるという体験、すぐに言いたいことをぐっとこらえて、説明が終わってから質問することで、スムーズに物事が進む体験を実際に何度もさせ、「待つ」ことの必要性を感じさせることが大切です。
また、子どもが順番抜かしをする前に、大人が先に順番抜かしをしてみましょう。順番抜かしをされると「嫌な気持ち」になることを体験させるのも一つの方法です。
「順番抜かさないでよー!」と子どもが怒ったら、謝りながらもう一度します。すると子どもが注意をする人になることで、嫌な気分にならずに「待つ」ことを意識することができ、「待たないとダメ」といったルールが子どもの中に芽生えてきます。
毎日毎日友だちや大人から注意される側ではしんどいですよね。たまには大人が注意される方向に持っていくのも面白いですよ。
順番待ちゲーム
目的
様々なゲームを行う中で、「待つ」ことの大切さを感じ、セルフコントロールができるようになる。
やり方
- トランプやジェンガ、輪投げ、ボウリング、黒ひげ危機一髪などの、ルールがシンプルなゲームで「順番待ち」を経験させましょう。
- ゲームの前に、順番を意識させ、順番を見えるところに明記しておきます。
- ゲーム終了後にはフィードバックを行い、順番が守れたから楽しく遊べたことをフィードバックします。
子どもは、頭では分かっていても衝動性はなかなか抑えられないものです。待つことで良い結果を得られた経験を積み重ねることで、それが自信になり、セルフコントロールが形成されていくことにつながります。
すぐにはできるようにはならないので、大人も長い目で見守り、少しでも待てたときには大いに褒めスモールステッップで取り組んでいきましょう。