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個別学習塾・元小学校教諭・発達障害教育・二児ママの記録帳 〜人生は楽しんだもん勝ちだ〜

発達障害、できないことを減らすよりも得意なことを伸ばそう!

f:id:ka7a-mama:20170616220526j:plain 発達障害があると、うまくできないことや失敗してしまうこと、苦手なことが多く、親や先生に叱られたり、否定的な目で見られることが少なくありません。また、友だちとの差を感じてしまうことも多く、自己肯定感(自分を認める気持ち)や、自尊感情(自分の価値を認め、自分を大切に思う気持ち)が育ちにくく、劣等感を抱えがちです。

こういった状況が続くと、「自分はダメな子なんだ」「何をしてもどうせできないから無駄だ」といった自信のなさや意欲の喪失ばかりが膨らんできます。すると、新しいことにチャレンジする「勇気」や、努力をすることでつかみとろうとする「やる気」が湧いてこなくなり、次第に、自分を認めてくれない他人や社会に対して否定的になっていきます。

こうならないないためには何が大切なのでしょうか?

 

得意なことを一緒に探す

発達障害のある子も、人一倍好きなことや、誰にも負けない得意なことが何か一つは必ずあります。しかし、こだわりの強さから、やめなくてはいけないときにやめることができず、そこも叱られてしまうポイントになりやすいことに注意が必要です。

絵が得意、計算が速い、パソコンが上手、電車が好きで電車知識をたくさん知っている・・・何でもいいのです。その子どもの好きなこと、得意なことを親が率先して見付け、上手に伸ばしてあげることがとても大切になってきます。

そして、日頃から、その得意なことを認めるように意識しましょう。「○○が上手だね」「○○だったら誰にも負けないね」そういった言葉をかけられることにより、子どもは自分の能力や素質を認められ、自己肯定感や自尊感情が育ちやすくなります。そして、褒められることによって「もっと頑張ろう」という意欲を引き出すこともできます。

「活躍できる場」を用意する

子どもの得意なことを見つけ認め、子どもがその能力に対して自信を持つことができたら、次は、その能力が活かせる場、活躍できる場を考えてあげましょう。そして、その能力をより伸ばす方法を考えてあげます。

クラブ活動や課外活動、習い事などから、子どもが活動したいと思える場所を選びましょう。子ども向けの活動がなければ、大人の趣味のサークルなどに参加させるのも一つの方法です。子どもによっては、発達障害の特性の一つであるこだわりや、好きなことに対しての類いまれなる集中力のおかげで、大人顔負けの知識を持っているような子どももいます。

その子どもが楽しみながら、能力を育てられる場所を確保してあげることで、様々なメリットがあります。一つは子どもが好きなことや得意なことの能力を伸ばし成長できること、もう一つは、学校でもなく家庭でもない場所に、子どもが活躍できる場があるということは、子どもにとって心の支えになるということです。学校で嫌なことがあった時も、家庭で嫌なことがあった時も、別の場所で能力を発揮でき、認められる場があるというのは、成長していくにあたってとても大切な場所になってきます。

苦手なことはどうするの?

得意なことを伸ばしてあげることの大切さは分かったけど、苦手なことはそのまま放っておいていいの?と思われる方もいると思いますが、そうではありません。苦手なことに対する克服方法や支援方法を探していくことも大切です。

大人というのは、できないことに目がいきがちですが、苦手なことを克服するというのはとてもストレスがかかり、しんどいことです。また、できないことばかりに目を向けられると、子どもは劣等感を感じる機会が増えることになります。ですから、できるだけ苦手なことは程々に、得意なことに時間をかけて伸ばしてあげる意識を持って子どもに接することが大事なのではないでしょうか。

得意なことを伸ばしてあげることによって「自分はやればできるんだ」という気持ちが持てると、苦手なことに対しても挑戦しやすくなっていきますよ。大人の意識としては「できないことを減らすよりも得意なことを伸ばそう!」くらいがちょうどいいのではないでしょうか。