発達障害児の音読支援方法 区切りが変・読み間違い・読み飛ばしへの対応策
発達障害を持っていると、学習面におけるつまずきを感じることは少なくありません。しかし、学習支援ツールや、サポート方法を変えることによってそのつまづきを軽減することは可能です。今回は、発達障害児の音読支援方法についてまとめていきます。
音読で文節に区切って読むのが苦手
音読をすると、一文字一文字を追うことに必死になって、ことばのまとまりを感じることができず、変なところで区切りながら読む子どもがいます。
「あるところに、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯をしにいきました。」
「あるとこ/ろに、お/じいさんとお/ばあさんが仲/良く暮ら/していまし/た。おじいさんは山/へ芝刈/りに、おばあ/さんは川へ洗濯/にいきま/した。」
このように、ことばのまとまりが分からないままだと読んでいても何がなんだか分かりません。こういった子どもに対しては、
単語ごと、文節ごとに区切りの線を引いておく
という支援方法が有効です。
「あるところに/、おじいさんと/おばあさんが/仲良く/暮らしていました/。おじいさんは/山へ/芝刈りに/、おばあさんは/川へ/洗濯に/いきました。」
このように単語ごとや文節ごとに線を入れてあげるだけで、子どもはことばのまとまりを意識することができるため、読みやすくなります。
音読で読み間違いが多い
音読をしていると、いつも決まった所で読み間違いをしてしまう子どもがいます。このような子どもには
教科書の間違いやすい箇所をマーカーで色付けしたり、傍線を引いて目立たせる
といった支援方法が有効です。
「あるところに、おじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました。」
このようによく間違える箇所を目立たせると、読むときに意識して読むことができるため、読み間違いが減ります。
音読で読み飛ばしが多い
発達障害を持っていると、「自分が読んでいる場所を確認しながら声に出して文字を読む」という複雑な作業に対応しきれない子どももいます。これは、ワーキングメモリーの不足によって引き起こされるとされています。そのため、読んでいる場所が分からなくなり、行の読み飛ばしや、同じ行を何度も読んでしまうことが起こります。そのような子どもに有効なのは、
音読補助シート
です。音読補助シートとは、読むべき行だけ目立たせ、他の部分は隠すことができるツールです。これを使えば、自分が読んでいる箇所を見失う心配がありません。また、文字の刺激が減るため、ADHDでいろんな所に目移りしてしまう子どもにとっても有効なツールと言えます。一行だけを目立たせた方がよいのか、三行程度なら見えていても大丈夫なのかは子どもによって違うので、本人が読みやすい方法を一緒に探していくことが大切です。
最後に
このように、音読一つをみても、様々な支援方法や、学習支援ツールが考えられます。発達障害を持った子どもの困り感をできるだけ解消できる方法を探すことによって、子どものできることも飛躍的に多くなります。また、困り感を解消できるんだという自信も、今後の成長に影響してくるでしょう。もし、サポート方法やツールに困っているという方がいれば、お問い合わせ欄から連絡を下さいね。一緒に考え、提案させて頂きます。