発達障害児にもお手伝いを③〜家庭でできる支援〜
これまで、粗大運動を取り入れたお手伝いや、微細運動・目と手の協応・視覚認知を意識したお手伝い、ワーキングメモリーを意識したお手伝い、コミュニケーション能力を育てるお手伝いなどを2回に分けて、発達障害児におすすめのお手伝いを紹介してきました。
今回は、計画・段取りを練習するお手伝いを紹介していきます。楽しんで挑戦しながら、達成感や自己肯定感、そして、責任感を育むことができる家庭でのお手伝い。失敗もあるかとは思いますが、挑戦し失敗することで子どもは多くのことを学び、成長します。日々のお手伝いがそのままトレーニングにもなるため、オススメです。
計画・段取りを練習するお手伝い
発達障害を持っている子どもは、計画や段取りを考えることが苦手です。ものごとがスムーズにいくように順番を考える、時間配分を考えて計画的に実行する、そのときの状況に応じて優先順位を考え、省略したり延長したりするなどは、臨機応変さや様々な情報を調べて活用していく必要があり、高度なスキルです。このような、計画を立て、判断して物事を進める能力のことを「プランニング能力」といいます。
日々の生活が段取りよくいくことは大事ですが、このお手伝いをさせる最大のメリットは、お手伝いと意識してさせることで、他の人の活動や日常の自分の行動、時間に関心を持てるようになることです。
タイムキーパー
時計が読めるようになったら、ご飯の時間や家族の入浴時間を伝えるタイムキーパーをお願いしてみましょう。時間の流れや時刻に気付くきっかけになります。ずーっと時計を見続けるのではなく、アラームをかけたり、キッチンタイマーをセットするなど工夫して取り組ませましょう。
買い物の順番を考える
近いところから、冷めない溶けないものからかごに入れることを教え、買い物の順番を考えてもらいます。今日の買い物で購入する品物をメモして渡し、どの順番で買い物かごに入れていくかの順番を考えてもらいます。その後、答え合わせのように一緒に買い物に行くと、クイズ感覚で楽しめるお手伝いです。
荷物の入れ方を考える
買い物した品物を袋に入れるときは、重いものや固いものから入れることを教え、買い物した後に袋につめてもらいます。柔らかいものや壊れやすいものは最後に入れることも大切ですね。
外出計画を立てる
家族でお出かけするときに計画を立ててもらいます。家を出る時間から帰る時間を決め、その間どんな風に過ごしどこへ行くのかを相談しながらスケジュールを立てさせます。時間、予算、みんなの希望など考えることはたくさんあり、難しいお手伝いです。地図を見たり、インターネットで調べるなどやりがいがあり、自由研究にもなるかもしれませんね。
このように、発達障害を持っていてもできる家事のお手伝いはたくさんあります。その子どもの発達状況や様子などから、楽しんで取り組めるお手伝いをお願いするようにしましょう。そして、お手伝いをしてくれたことに対して「ありがとう。助かったよ。」といった感謝を必ず伝え、人の役に立つという経験を重ねられるようにしましょう。
幼児期から始め、習慣化し、大きくなっても家族の一員として、年齢に応じて何かしらのお手伝いをやり続けられると良いでしょう。