発達性協調運動障害の原因は?不器用さに関わる「見る力」
発達性協調運動障害の原因には、様々な原因があると前の記事で書きましたが、今回はその原因の一つである「見る力」と発達性協調運動障害についてまとめていきます。
日常生活の中で、不器用さに悩んでいる子どもは意外と多いのではないでしょうか?
のりを使えば手や机までベトベト・・・
ハサミで画用紙を切ったらガタガタ・・・
折り紙を折ればぐちゃぐちゃ・・・
もしかすると、「単なる不器用」なのではなく、「見る力」に問題があるのかもしれません。
不器用さと「見る力」の関係
1.両眼視の問題
左右眼の視線を揃え、右目と左目に移った像を重ね合わせて一つの映像として知覚し、遠近感や立体感を捉える眼と脳の働きのことを「両眼視」といいます。この機能がうまく働かないと、遠近感や立体感を正しく把握することができないため不器用さにつながります。
2.視知覚・視覚認知の問題
形や空間の情報を分析し、それらの刺激を過去の経験に照らして解釈する力のことを「視知覚・視覚認知」といいます。この機能がうまく働かないと、遠近感や立体感を正しく把握できず、不器用さにつながります。
3.目と手の協応の問題
目から取り込んだ情報と連動して、手や身体の運動を調整する力が弱いため、正確で素早い動きができず、不器用さにつながります。視覚と運動の連動をトレーニングする「ビジョントレーニング」が効果的です。
「見る力(視覚機能)」の重要性
このように、「見る力」と不器用さは様々な点で関係があることが分かります。日本では、見え方=視力と考えてしまいますが、視力がいくら良くても、視覚機能に問題があるケースも多いです。
米国、カナダ、ヨーロッパには、オプトメトリストといった、視覚機能の検査・訓練を行う専門職があり、国家資格になっています。日本ではあまり聞かれませんが、アジアでも、フィリピン、韓国、中国など、オプトメトリストが認められている国、認められつつある国があります。
米国では、視覚機能に問題があるために学習能力を発揮できない子どもたちや、視覚機能に問題があったり、より視覚機能を高めたいスポーツ選手、また、一般の人でも、見え方に何か異変を感じたら、まずがオプトメトリストのクリニックを訪ねるのが当たり前になっています。
一方日本では、視覚機能を調べる場所はまだ非常に少ないです。別の記事で、子どもの眼の見え方や動き方に問題がないかのチェック方法ものせるので、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。