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個別学習塾・元小学校教諭・発達障害教育・二児ママの記録帳 〜人生は楽しんだもん勝ちだ〜

自閉症スペクトラム障害の特徴

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今回は、自閉症スペクトラム障害の子どもによく見られる行動特性についてまとめていきます。ただし、自閉症スペクトラム障害は、名前の通り、明確な境界線がなく、連続した線上でつながっているという考え方です。ですから、「こうだったら自閉症スペクトラムである」と言い切ることはできないため、注意が必要です。

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自閉症スペクトラム障害の特徴

1.ことばが遅い

2〜3歳になってもことばを発さないなど、明らかなことばの遅れがみられます。ただし、高機能自閉症の場合は、ことばの習得は遅い場合もありますが、しだいに問題なく話せるようになる子どもが多いです。

2.目をあわせない

他者と目を合わせようとしないのも自閉症の特徴です。親が赤ちゃんの目を見て笑いかけたり、あやしたりすると、通常であれば笑ったり喜んだりしますが、そういった反応がみられません。

3.特定のものへの執着・こだわり

時間割や道順、ものの位置、動作や作業の手順、行う場所についてなど、さまざまなこだわりがあります。また、予定外の自体が生じたりすると、不安や緊張が高まり、パニックになる恐れもあります。

4.感覚過敏(または鈍麻)

音や光、温度、触られた時の感じ方などが他の人とは異なり、独特の感覚をもっています。

5.指差ししない

幼い子どもは指差しをすることで「あれ取って」と訴えることが多いのですが、自閉症の子どもは指差しをして要求することがありません。その代わりに、親の手首を掴んで要求しているもののあるところまで引っ張っていく行動がよくみられます。この行動は「クレーン現象」と呼ばれています。

6.常同行動(繰り返し行動)

自閉症の子どもは、視覚・聴覚・触覚・味覚などの働き方が普通の人とは異なります。そして、その独特の感じ方によって得られる刺激が、本人に取っては好ましいものであるために、その刺激を受け続けようと、一定の行為(動作)を繰り返し行うことがあります。このような行動のことを、常同行動(繰り返し行動)といいます。

具体的な常同行動としては、手をひらひらさせる、手をぱちぱちさせる、つま先立ちで歩く、上半身を前後に揺する、ぴょんぴょん飛び跳ねるなどがあります。こういった常同行動は、子ども自身がストレスを軽減させるために行っているケースが多いようです。

7.細部にこだわる

物事全体を俯瞰的に見ることが苦手で、細部にこだわる傾向があるのも、自閉症の特徴の一つです。例えば、掲示物が少し傾いて貼られていると、我慢できずに貼り直したり、机の位置が1cmでもずれていると気になって直したりするケースもあります。

8.流水・回転するものが好き

常同行動の一種とも言えますが、流れる水や、扇風機のような回転するものを好む傾向があり、そういったものをいつまでもじーっと見続けることがあります。

9.呼んでも振り向かない

自閉症の場合、多くの情報の中から、自分に必要な情報を選択して取り上げ、不要な情報を捨てるということが苦手です。たくさんの音が聞こえている中で自分の名前が呼ばれても、その名前に注意を向けることがなかなか難しく、気づかない場合が多いです。

10.迷子になりやすい

自閉症の場合、関心の向くものがあると、躊躇なくそちらに行ってしまうことがよくあるため、迷子になりやすい傾向があります。また、ワーキングメモリーの働きに弱さがあるため、親と一緒にいる自分がはぐれてしまったらどうなるかという状況把握ができず、こういった行動をとってしまうのだと考えられています。

11.パニックになりやすい

自閉症の子どもの場合、感覚過敏のために、パニックになってしまうことがあります。大きな音や、急に触られたことから不快を感じてパニックになることがあるため、そのパニックの原因を探り、できるだけその感覚を刺激しないように配慮してあげることが大切です。

 

このように、自閉症スペクトラム障害には様々な特徴がありますが、特徴の現れ方も程度も個人差があります。診断名に惑わされず、子どもをよく観察して、本人の困り感やつまずきに気づき、対応していくことが大切です。